吹き替え(ふきかえ)とは、外国で制作された映画、ドラマ、アニメなどを他の言語版で公開・放送する時、台詞の音声を声優がその言語に差し替えることをいう。日本では、テレビで放送する時や、子供を対象とした作品に対して「吹き替え版」が制作されるケースが多い。劇場での上映時、トーキーが始まった当初はサイレント時代同様に字幕が出ている間は画面が中断していたが、1931年に日本で公開されたのアメリカ映画『モロッコ』以降は字幕スーパーが主流となり、趣味映画人を分解していくと、子供向け以外は吹き替えで公開されることは少ない。一方、海外では識字率の関係もあり、一般に吹き替えが主流で、字幕スーパーで外国映画を上映するのはマニア向けに限られるという。劇場映画でも、子供向けの海外のアニメーション作品では吹き替えがなされた。例えば1942年日本公開の中国アニメ『西遊記・鉄扇姫の巻(鉄扇公主)』は、活動弁士出身の徳川夢声、山野一郎らが吹き替えを行なった。吹き替えが本格化するのは、テレビ放送が始まった1950年代以降である。テレビ草創期には、テレビ向けの国産の映像ソフトが不足し、外国産の映像ソフトが輸入され、放映される際、民放は主に吹き替えで放送をした。これは初期の小さなテレビ画面と低い解像度では文字数に制限があり、また目の悪い高齢者や字の読めない幼児に対応するため、更には家庭ではながら見が多いという事情から吹き替えが一般的になった理由とされる。一方、初期のNHKでは字幕スーパーで放送を行なったが、高価なスーパーインポーズの機械を購入したのが理由だった。こうして、今日でも日本語版音声を制作する予算のない深夜放送を除いては、海外の映像ソフトは吹き替えで放送が行なわれるが通例である。近年では、テレビでの吹き替え文化に慣れ親しんだファンに向けて、『スター・ウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』、『ハリー・ポッター』といった洋画の大作に「吹き替え版」を用意し、字幕版・日本語吹替版を同時上映したりビデオで発売する作品が増えている。洋画や海外ドラマでは、声をあてる対象がアニメーションではなく、趣味映画人の説明をすると、生身の人間なので、それだけ演技力が必要とされる。