1953年問題とは、1953年に公開(公表)された映画の著作権について、その存否に争いがあることから生じる問題。2004年(平成16年)1月1日に施行された著作権法(新法)54条1項では、映画の著作物の著作権は「公表後七十年」を経過するまで存続すると定める。しかし、この新法が施行される以前の著作権法(旧法)54条1項では、映画の著作物の著作権は「公表後五十年」を経過するまで存続すると定めていた。そして、新法は「この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が消滅している映画の著作物については、なお従前の例による」として、施行時点に著作権が消滅している著作物については、新法の適用がないものと定めた(附則2条)。なお、著作権法では著作権保護期間の計算方法について、「期間の終期を計算するときは、著作物が公表され若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する」と定めている(新旧とも法57条)。これらの規定を1953年公開の映画についてあてはめると、著作権保護期間は1954年1月1日から起算することになり(57条)、旧法ではそれから50年後に保護期間が終了し(旧54条1項)、新法では70年後に終了することになる(新54条1項)。ここで問題となるのは、「公表後五十年」の満了時とはどの時点かということである。公表時である1954年1月1日の「五十年後」が、2003年 12月31日午後12時(24時)とすると、1953年公開の映画の著作権は、2004年1月1日には既に保護期間を経過していることになり、旧法が適用されて著作権は消滅する。この結果、1953年公開の映画は、パブリックドメインに属することとなる。これに対して、「五十年後」が2004年1月1日午前0時とすると、新法施行時には未だ著作権が消滅しておらず、新法が適用され、著作権の保護期間は20年延びることになる。